6月21日(日)にシンプレクス・テクノロジー第12期定時株主総会が行われました。
あいにくの雨に見舞われたにも関わらず、昨年を上回る250名もの株主のみなさまにお越しいただくことができました。(土日開催は当社としては3度目の試みとなります)
金子によるプレゼンテーションと質疑応答を中心した今期株主総会の所要時間は、1時間30分に及びました。
以下、株主総会の質疑応答の内容をご紹介させていただきます。
株主総会FAQ
Q.1
UMS事業のリスクについて教えてください。
A.1
既存事業であるSI(システム・インテグレーション)事業は、受託開発を特徴としているため、基本的に先行投資リスクが発生しないという特徴があります。
一方で、UMS(ユニバーサル・マーケット・サービス)事業は、ハードウェアやデータセンター費用を含めた開発段階での費用を当社が負担するため、先行投資リスクが発生するという特徴があります。
さらに、先行投資による投下資本の回収が不確実である点もUMS事業のリスクとして認識しています。
また、従来のSI事業の主要顧客は、メガバンク、信託銀行、大手証券会社など、財務基盤が強固な企業であるため、代金回収についてリスクが低いという特徴があります。
一方、UMS事業においては、財務基盤が比較的小さい顧客にも裾野が広がっているため、代金回収のリスクが従来のSI事業より大きく、この点をリスクとして認識しています。
Q.2
インド及びアメリカ子会社の動向と海外進出の見通しについて教えてください。
A.2
インドの子会社については現在休止状態です。
一方、昨年4月に設立したアメリカ子会社には、五十嵐取締役が責任者として常駐しています。
アメリカ子会社は、UMS事業における新サービス開発のための研究開発拠点、および今後の海外の金融機関への営業開始に先行したマーケティング拠点として位置づけています。
事業の国際化は、第二次中期事業計画の終了後のテーマと考えており、2012年3月期までは、UMS事業を中心に国内の事業基盤を固めることに注力していきたいと考えています。
ただし、3年後以降の事業の国際化を視野に入れ、アメリカ子会社でのマーケティング活動以外にも、当社役員がアメリカや中国にわたり現地で情報収集を行うなど、適宜動き出しています。
Q.3
海外ではPTSが盛んであると聞いています。日本国内におけるPTSの動向とビジネスチャンスついてどのように考えていますか?
A.3
PTSとは、私設取引所のことであり、国内では、カブドットコム証券やSBI証券、大和証券などがすでに開設しています。
私はこれから日本国内でも、海外同様にPTSが盛んになるものと考えています。
そして、今後の公設取引所やPTSを考えるにあたり「最良執行」が一つのキーワードになるものと考えています。
最良執行とは、「顧客から出された注文に対して、公設取引所やPTSで提示されるもっとも有利な条件で取引をしなければならない」という証券会社などに課された義務です。
たとえば、顧客の買い注文に対しては、公設取引所やPTSで提示される価格の中から最も安い価格で取引をしなければならないことになります。
この最良執行を可能とするためには、最先端の機能を有したシステム導入が不可欠です。ここに当社のビジネスチャンスがあると認識しています。
また、まだアイデア段階ではありますが、「当社自身が金融機関と合同でPTSを開設する」といったビジネスモデルも含め、さまざまな可能性を模索していきたいと考えています。
Q.4
研究開発費用の内容、そして今後の推移はどのように考えているか?
A.4
研究開発費用は、前期900百万円であり、今期は1200百万円を想定しています。
研究開発費は主にUMS事業に投入しており、具体的には、新サービスの立ち上げ、そして、顧客ごとのカスタマイズに使用されています。
そのうち、顧客ごとのカスタマイズについては、顧客の初期投資額を抑えるため、一時的に研究開発費用として当社が導入費用を負担し、サービス開始後に成功報酬型課金モデルUMS(サービス)として継続的に費用回収を行っています。
今後も極端に膨張することはないにせよ、UMS事業の拡大と比例して研究開発費用も同様に増加するものと認識しています。
Q.5
事業報告で説明があった「社内的な混乱」の内容とその対策について教えてください。
A.5
前期は開発規模の急拡大に伴い、プロジェクト現場に混乱が生じた期となりました。
こうした混乱を招いた背景には、事業規模の拡大に伴い、役員が進行中のプロジェクトの隅々までを把握することが困難となり、その結果、管理が行き届かなくなったことが原因にあると分析しています。
経営陣一同、こうした状況に対して強い危機感を感じており、今期はプロジェクト現場の正常化に向けて、経営リソースを集中していきたいと考えています。
まずひとつめの対策として、エンジニアに対するトレーニングを強化し、レベルの底上げを狙う予定です。今期はエンジニア向けトレーニングのための教育費として200百万円の予算を組んでいます。
また、社内の各グループを横串で横断的にサポートする組織を新規に立ち上げ、プロジェクトの正常化に向けて組織体制からもアプローチしていく方針です。
さらに、プロジェクトの進捗状況や各種アラートなどの情報をリアルタイムで経営が把握できる仕組みを構築するなど、社内管理体制の強化に注力していく方針です。
Q.6
ストックオプションについて行使条件について教えてください。
A.6
株主総会においては、ストックオプション発行の上限数を株主のみなさまに決めていただくことになります。
その上で、当社がストックオプションを発行することになります。
行使条件は、発行日の前月の株価の平均と発行日前日の株価の終値のどちらか高い方となります。これにより概ね発行時の時価で行使ができるような形となります。
Q.7
取得した自社株はどのように利用するのか教えてください。
A.7
企業が資金調達を必要とする際には、財務上、「借入で行うか」or「新株発行により行うか」という検討をします。その際に後者である「新株発行により行う」場合において、自社株を利用することがはじめて選択肢となりえるということになります。
よって、自社株を考える上での前提として、自社株の消却の有無に関わらず、経済的な効果にはインパクトがない点をまずご理解いただきたいと思います。
なお、自社株の取得は、株価が割安であると判断でき、かつ、手元資金に余裕がある局面において実行していく方針です。
Q.8
株主への利益還元についてどのように考えているのか教えてください。
A.8
株価につきましては、1株当たり資産価値、利益のほか社会経済情勢その他要因が複雑に作用して形成されたものであるという観点から、上場来一貫して当社による判断・コメントは差し控えさせていただいております。
当社は、2007年3月期を最終年度とする第一次中期事業計画において業績目標を達成するなど、上場来、投資家のみなさまに対する公約・責務(コミットメント)を守ることをポリシーとしています。
当社としましては、業績に裏打ちされた株価形成を基本として捉え、2012年3月期を最終年度とする第二次中期事業計画の業績目標の達成を目指して、継続的な企業価値の向上に努めていく所存です。
経営者として、今後も企業価値の向上という形で株主のみなさまには報いていきたいと考えています。
Q.9
社員の長期雇用に対する施策について教えてください。
A.9
金融工学に代表される金融ビジネスに関する深い金融知識と、日々進化するIT技術の融合が、当社の中心的な経営資源と考えています。
そして、その源泉は最高水準の人材です。従って、当社にとってトップクラスの人材を確保する事が、最重要戦略の一つであると認識しています。
こうした認識の下、報酬については、年功序列を否定し、年齢に関係なく優秀な社員が成果・能力に見合った報酬を受け取れる「完全年俸制」を採用しています。なお、報酬面については、業界の中でもトップクラスの待遇をしていると認識しています。
また、報酬はこうした金銭的な要素以外に、「社会に貢献する仕事」、「達成感」、「充実感」等の個々の価値観が起因するインセンティブが大きいという特長があると認識しています。
当社では新卒社員であっても、たとえば取引所システム構築プロジェクトに配属させるなど、積極的にチャンスを与えるような取り組みをおこない、仕事に対するやりがいを喚起するようにしています。
Q.10
業界の市場規模とシェアについて教えてください。
A.10
金融機関のIT投資は年間およそ1兆7000億円~8000億円と考えられています。その投資対象の大半がハードウェアであり、ソフトウェアについてはおよそ5000億円が投資されているようです。
ソフトウェアに対するIT投資のうち、その大半はバックシステムに投資されるため、フロントシステムに対する投資は10% 程度、市場規模にして約500億円であると推定しています。
この500億円の市場における当社のSI事業のシェアは現段階で12%程度であると認識しています。将来的にはこの割合を30%にまで引き上げたい計画です。
一方、UMS事業は金融機関のビジネスそのものを金融機関のパートナーとして遂行していく新しい事業領域であり、現時点での市場規模を算定するのは困難ですが、将来的には、500億円程度になるのではないかと考えています。
以上が株主総会の質疑応答の内容になります。
お足元の悪い中ご来場くださった株主のみなさま、誠にありがとうございました!



