今回のエントリーでは、6月21日(土)に開催された株主総会の質疑応答の内容(計18問)をご紹介させていただきます。
外部環境に関するFAQ
Q.1
国内金融機関による金融フロンティア領域への投資は拡大しているのでしょうか?
A.1
国内金融機関のシステム投資は1兆数千億円といわれています。
ただその多くは、ハードウェアに向けられており、ソフトウェアに対するシステム投資額は年間5000億円程度です。そのうち、フロントシステムに対する投資は約10% 程度であり、その市場規模は約500億円と推定しています。
これに対し、欧米の金融機関ではフロントシステムとバックシステムの投資金額比1:1程度といわれています。わが国でもフロントシステムへの投資比率が上昇する傾向にあり、将来的に市場規模が伸びる可能性は大きいとみています。
銀行の統合もこの流れの一環であり、統合によりバックシステムへの投資コストが押さえられることで、フロントシステムへの投資が加速されていくと分析しています。
また、株券電子化もこの流れの一環であると分析しています。株券電子化により、株式管理の負担が減ることで、フロントシステムへの投資がより加速されるとみています。
Q.2
金融フロンティア領域への投資需要の喚起に向けた御社の考えについて教えてください。
A.2
会社設立から10年間は金融フロンティア領域の中で競合他社からシェアを奪うことにより、業績を拡大してきました。
現在は金融フロンティア領域のNo.1システムベンダーとして、国内有数のシステム会社に成長しています。
今後は競合他社からシェアを奪うだけではなく、マーケット自体を広げる活動が当社に求められていることを強く認識しています。
大手金融機関の経営層へのアクションや、業界を巻き込んだ活動を当社が主体となって行うべきステージにきていると捉えています。
開発面・営業面に関するFAQ
Q.3
開発面において製品群のフルライン化は進んでいるのでしょうか?
A.3
債券・デリバティブ・株式・為替などの商品ラインナップのフルライン化はすでに実現しつつあります。
加えて、投資判断のための分析・発注・約定管理・リスク管理など全ての機能が高度に統合化され、かつ全ての金融商品が同一のプラットフォームで取扱えるシステムに改良することが今後の課題であると認識しています。
Q.4
システム納入顧客から急遽取引を打ち切られるリスクはあるのでしょうか?
A.4
当社が取り扱うフロントシステム(金融機関の収益を獲得するシステム)は、その構築・運用に高い金融業務ノウハウを必要とするため、他社システムに切り替えることは容易ではないと認識しています。
また、当社はコンサルティングからシステム開発、保守・運用までを一貫して自社で担当しています。システム稼動後も保守サービスやリピートオーダーという形で案件が継続的に発生するため、一方的に取引を打ち切られるリスクは低いものと認識しています。
Q.5
マーケティング活動の現状についてお聞かせください。
A.5
当社の既存事業であるSI事業では、開発を行った同一のエンジニアがシステム稼動後の保守・運用も一貫して担当する体制をとっています。
受託開発を中心とするSI事業では、エンジニアがユーザから現場で直接要望を吸い上げることで、追加案件や新規案件の獲得につながっています。
一方、新規事業であるUMS事業は、市場のニーズに基づいたサービスの開発が非常に重要となる事業です。
そのため、個人投資家向けインターネット取引システム「SPRINT」に代表されるように、サービス立上げ前のマーケティングがとても重要となります。
こうした背景から、当社は今後マーケティングを強化していく見通しであり、この一環として2009年3月期にUMS企画室を新たに設立しております。
Q.6
今後の国際展開についての展望をお聞かせください。
A.6
「日本発のファイナンシャル・イノベーションを世界に向けて発信する」という当社の企業理念どおり、国際展開は会社設立当初からの目標です。
この目標に向けて当社はこれまで、第一次中期事業計画(2003年3月期~2007年3月期)において日本の金融フロンティア領域のNo.1システムベンダーの地位を確立してきました。
さらに2008年3月期からスタートしている第二次中期事業計画(2008年3月期~2012年3月期)では、労働集約型ビジネスからノウハウ集約型ビジネスへの転換に取り組んでいます。
当社は第二次中期事業計画終了後に本格的な国際展開をスタートさせたいと考えており、その布石として昨年11月にサンフランシスコオフィスを開設しております。
採用・教育に関するFAQ
Q.7
新卒採用に掛かるコストについて教えてください。
A.7
中途も含めた採用コストは前期1億5000万円、今期2億5000万円を見込んでいます。
なお、当社は新卒採用に対して多くの経営資源を投下しています。
私金子を例に挙げれば、東京・大阪・福岡・仙台で開催する新卒セミナー(1時間程度・全60回)での会社説明を私自身が全て行っており、全ての最終面談の面接官も私が担当しています。
Q.8
新卒採用ではどの程度の応募があるのでしょうか?
A.8
今年は60~70名の採用枠に対して、約2000名の応募がありました。
Q.9
入社3年以内の離職率はどの程度なのでしょうか?
A.9
入社3年以内の離職者は年間2~3名程度です。
当社の離職率は全体で見ても10%未満であり、同業の中ではきわめて低いものと認識しています。
Q.10
平成20年3月末現在の平均勤続年数が3.2年と短いように感じます。
人材確保に対する取り組みについて教えてください。
A.10
当社は数年前より新卒採用を積極的に行っているため、その影響から平均勤続年数は短く見える傾向があります。
当社は優秀な人材に長く働いてもらうことを常に意識しており、当社の離職率は10%未満と同業の中でもきわめて低いと認識しています。
離職率が低い要因のひとつには、組織業績に貢献した従業員に対して、正当な報酬と多くの裁量を与えることを基本方針とする人事制度を採用している点が挙げられます。
当社の平均給与は業界でもトップクラスの水準を維持しており、報酬や裁量という具体的な評価が従業員のモチベーション維持に貢献しているものと分析しています。
Q.11
後継者の育成についてはどのようにお考えでしょうか?
A.11
後継者の育成の一環として、執行役員や一般に部長職に該当するファンクションヘッド層の役職に年齢に関係なく、個々の能力に応じて昇進できる人事制度を採用しています。
執行役員やファンクションヘッドには30代の者もおり、その成長が経営陣としては非常に楽しみです。
配当・株主優待に関するFAQ
Q.12
配当性向についてどのように考えているのでしょうか?
A.12
当社は現在、売上高・利益とも年率30%程度成長し、“安定的な高成長”を持続しています。また、ROE(自己資本利益率)も約30%と高い水準を維持しています。
こうした状況下においては、社内留保を厚くし、事業活動で得た利益を再投資に回すことが企業価値向上に資するものと捉えています。こうした観点から、当分の間は配当性向を10%~15%と定め、株主のみなさまに還元していく所存です。
個人的に、一株主としては無配当でも良いと考えていますが、多様な株主の方のニーズを勘案して現在の配当性向を決定しています。
なお、今後成長が一段落し、例えば年5%程度の成長しか見込めなくなれば、配当性向を上げるという選択肢も見当すべきたと考えています。
Q.13
株主優待についてどのように考えているのでしょうか?
A.13
株主優待についてはあまり考えたことがありませんでした。
私見では、全ての株主様に平等に喜んでいただける優待を実施するのは困難であり、一部の株主の方のみが喜ぶ制度の導入には消極的です。
株主優待制度の導入については今後の検討事項とさせて頂きたいと思います。
株主構成に関するFAQ
Q.14
大株主に外国人株主は含まれているのでしょうか?
A.14
外国人の定義が難しいですが、上位10名の中に1.5%程度の持分を有する外国人株主の方がいると認識しております。
その他のFAQ
Q.15
招集通知に大株主が1名しか書かれていないのはなぜでしょうか?
A.15
法改正に伴い、10%以上の持分を有する株主のみ記載が義務付けられることとなったことから1名の記載となっております。
一方で来期以降、法的な開示を超えて記載するかどうかについては検討事項とさせて頂きたいと思います。
Q.16
招集通知において第7号議案の表記が明瞭ではないように感じます。
今後は分かりやすく表記するように心掛けていただきたい。
A.16
貴重なご意見を頂きありがとうございます。
一方、第7号議案について法的な説明を勘案した結果である点をご理解いただきたいと思います。表記方法につきましては今後の検討事項とさせて頂きたいと思います。
Q.17
労働組合はありますか?
A.17
労働組合は組織されていません。
今後の見通しについても、労働組合の組織決定の主体は経営陣ではなく当社従業員であることから、当社従業員が必要と判断した場合に組織されるものであると捉えています。
Q.18
社長ご自身の健康管理において気を付けていることはなんですか?
A.18
健康管理で特に気を付けているのは食事です。
偏食にならないように留意しています。
また、常に緊張感を持って日々経営にあたっているため、意識的にリラックスする時間を設けるようにしています。
以上が第11期定時株主総会の質疑応答の内容です。


