この度、当社初の金融工学入門書「キャッシュフローでわかる 入門 金融工学」を上梓することとなりました。
本書は、当社社員を中心に約1年をかけて書き上げたもので、対象読者として以下の様な方々をイメージして執筆しました。
-----------------------------------
金融工学に興味はあるが、何から手をつけるべきか悩んでいる方
かつて金融工学を学ぼうとして挫折した方
金融機関向けシステムに携わっているエンジニアの方
金融業界を目指している方
-----------------------------------
同時に、金融業界における新人・社員教育用テキストとしても活用していただけるように構成し、当社でも本年度から新卒採用内定者向けに、本書を使って入社前金融研修を行う予定です。
さて、本書の内容ですが、本書は3つのコンセプトで執筆しています。
-----------------------------------
金融工学の基本部分の全体感を正しく把握でき、それがどうやって使われ、どのように役に立っているのかがわかる
「キャッシュフロー」の視点から金融工学、つまり金融商品の評価(時価計算)について解説する
なるべく数式を使わない
-----------------------------------
いまや金融工学とは切り離せない、そして当社ならではの金融システムに関するトピックや、当社も証券会社向けにシステムを提供しているアルゴリズミック・トレーディングの話題から、最近個人投資家の方々の取引が増え、話題になっている株式オプションなど、個人投資家の方々にも興味深い内容となっているのではないかと思います。
目次を挙げるとこの様な感じです。
■Chapter 1 キャッシュフローとの出会い
投資をキャッシュフローで語る
さまざまな投資
キャッシュフロー
投資とキャッシュフロー
金利は現在と将来の架け橋
現在価値と将来価値
ディスカウント ファクター
投資の価値
Coffee Break 分散処理
■Chapter 2 固定金利と債券
債券から見えること
買うべきか買わざるべきか…
正味現在価格をゼロにする
債券ってなんだろう
債券価格の表し方
価格と利回りの密接な関係
債券の投資戦略
価格変動をあらわす尺度
投資期間をあらわす尺度
投資期間と価格変動の同一性
コンベキシティ
イールドカーブ
投資戦略
Coffee Break 債券分類と信用力
■Chapter 3 イールドカーブのつくりかた
イールドカーブの材料とは
さまざまな金利
ゼロクーポン レートは便利
ゼロクーポンに統一する
点から線へ
イールドカーブが変化するって?
イールドカーブに隠れているもの
将来期間の金利
フォワードレートの意味
Coffee Break 金融商品あれこれ~仕組債
■Chapter 4 変動金利と金利スワップ
変動金利はこうして決まる
キャッシュフローが伸び縮み
LIBORってなに?
変動金利キャッシュフローの現在価値
キャッシュフローを交換する
金利スワップとは
日数計算と休日の取扱い
変動金利マジック
金利スワップの評価
変動か固定か(金利スワップのリスク)
金利スワップいろいろ
Coffee Break 金利と為替の関係
■Chapter 5 キャッシュフローがわからない!? オプションの評価
オプションとキャッシュフロー
金利変動とリスク
キャップ取引とは
オプション取引での用語
スワップション取引とは
オプションの現在価値
現在価値計算の概要
原資産の将来価値を推測する
期待値から現在価値へ
酔っ払いの千鳥足(二項分布)
ボラティリティ
酔っ払いの足の長さ(ボラティリティとオプション価格)
家が遠い酔っ払いの行方(時間とオプション価格)
飛び飛びから連続へ
Coffee Break 結局、金融工学って何?
■Chapter 6 キャッシュフローの解釈で株式を評価する
株式のキャッシュフロー
企業のキャッシュフローと株主のキャッシュフロー
株式を持ったときのキャッシュフロー
株式のキャッシュフローモデルを使ってみる
企業の価値を測ってみよう
企業の収益を考えると……
EVAフローを使ってみる
ポートフォリオでできること
何を選んだら良いのだろう?
まとめて買うと…
え、儲からないの?
有効フロンティアの問題点(超過リターンで考える)
Coffee Break 金融アプリケーション
■Chapter 7 キャッシュフローを求めて ~株式オプションの世界~
株式オプション市場
株式オプション市場とは?
オプション市場の参加者は何を見ているか?
株式オプション売買で損益を生む市場要因とは?
オプション価格の変化をもたらすものは?
原証券価格変化がもたらすオプション価格の変化(1):デルタ
原証券価格変化がもたらすオプション価格の変化(2):ガンマ
原証券価格変化がもたらすオプション価格の変化(3):デルタとガンマ
時間経過がもたらすオプション価格の変化:シータ
ボラティリティ(変動率)変化がもたらすオプション価格の変化:ベガ
金利変化がもたらすオプション価格の変化:ロー
以上のまとめ
再びオプション市場へもどって
実際のオプション市場を見てみよう
ダイナミック ヘッジ
タイム ディケイ v.s. ダイナミック ヘッジ
インプライド ボラティリティと市場(実現)ボラティリティについて
「市場ボラティリティ予想」とキャッシュフローの実現
トレーディングにおける金融工学の果たす役割
金融工学は役立つ
あるトレーダーの行動、損失を生んだのは何だったのか?
Coffee Break アルゴリズミックトレード
■Appendix 補足
連続複利
債券価格とデュレーション
イールドカーブの補間
変化率のブラウン運動
伊藤の公式
伊藤の公式のポイント
連続分布の場合のオプション価格
ファインマン-カッツの公式からModified Blackへ
Black-Scholes方程式
この機会に是非本書をお手にとっていただき、金融工学ひいては金融そのものについて、より理解を深めていただくと同時に、金融工学に関わるシステム開発にも携わっている当社事業の一端をご理解いただければ幸いです。
(本書は、amazon.comをはじめとして、大手書店店頭でもお買い求めいただけます)
本書の上梓にあたっては、監修として、かつてソロモン・ブラザーズ・アジア証券(現日興シティグループ証券)で株式部長として活躍され、現在は経済・投資教育事業を展開されている、「株式会社シンプレクス・インスティテュート」代表取締役 伊藤祐輔氏にご協力いただき、さらに、株価トレンド推計Webサービスや、法人向けに株式の執行分析サポートツールの提供など、金融工学の研究・開発事業を展開されている「株式会社CMDリサーチ」(当社持分法適用関連会社)にも執筆協力をいただきました。
『キャッシュフローでわかる 入門 金融工学』(amazon.com)
株式会社シンプレクス・インスティテュート
株式会社CMDリサーチ


